通信制高校の学費はどれくらい?支援金など援助はあるの?
高校へ進学する際はこれまでの小学校や中学校へ進学する場合と比べて、選択の幅が広がります。高校には通信制の選択肢もあり、目的によっては通信制高校を検討する人も増えています。通信制高校を検討する際に気になるのは費用のことでしょう。今回は通信制高校の学費と支援金制度について解説しますので、通信制高校の学費に悩む人は必見です。
通信制高校の学費はどれくらい?
学校によって大きく異なりますが、公立と私立に分けて解説します。
■公立通信制高校の学費
公立の場合、授業料や授業料以外にかかる費用を含めると年間で約3万円となります。公立は都道府県が運営しているため費用面も抑えられています。
■私立通信制高校の学費
私立の通信制高校は年間で20万円から40万円前後と公立と比較すると高くなります。全日制の私立高校の場合、参考ですが年間で50万円から100万円前後となるため、通信制の方が学費を抑えられます。
ただし通信制高校でも通学コースを選ぶと、全日制と変わらないくらいの費用になる可能性があります。公立と比較すると人件費や設備費がかかるため学費が高くなりますが、選べる学科やコースが充実しています。サポート体制も私立の方が充実しており、学習面や進路でつまずいた時には手厚いサポートを受けられます。
通信制高校の学費を安く抑える方法
通信制高校の学費を安く抑えるためには以下のような方法が考えられます。
■公立に通う
通信制高校に限った話ではありませんが、公立に通うことで学費を安く抑えられます。学校によりますが、公立の場合、卒業までの学費を約10万円以下に抑えることも可能です。
ただし公立の通信高校は高校卒業の資格取得を目的としているため、生徒一人ひとりに寄り添ったサポート体制は望めません。スクーリングはありますが登校する機会が少ないため、基本的には自学自習する必要があります。
一人で勉強する習慣があれば問題ありませんが、勉強する習慣がなければ卒業することが難しくなります。公立の通信制高校は費用面にメリットがある一方で、サポート体制にデメリットがあることを念頭においておきましょう。
■学習コースを検討する
私立の通信制高校の中には在宅コースと通学コースが用意されている学校があります。在宅学習をメインとするコースであれば、学校に通うスクーリングが最低限の回数で済むため学費を抑えられます。
スクーリングが少ないことで学習面が不安になるかもしれませんが、私立の通信制高校ではインターネットを使った授業も充実しているため、自宅学習であっても安心して勉強をすることができます。
私立の通信制高校は学科やコースがさまざまであるために専門的な学習が必要な場合はオプション費用が必要となり、学費が高額になる可能性があります。希望する学習内容と学費のバランスを考慮しながら、学習コースを検討することをおすすめします。
■就学支援金
通信制高校に通う場合でも就学支援金といった学費支援制度があります。就学支援金は制度によって受給条件がありますが、活用することで学費を安くできます。詳しい内容については次項で解説します。
通信制高校に通う際に使える学費支援制度とは?
通信制高校の学費を安く抑える方法にて紹介した学費支援制度ですが、どのような制度があるのか具体的に解説します。
■高等学校等就学支援金制度
家庭の教育費負担を軽減するために、高校の学費を国が一部負担してくれる制度です。全国の高校生の約8割が利用している制度で、2020年からは私立高校の支援金額が増加するといった大きな改正もありました。受給資格として、保護者の年収が約910万円以上となる場合は制度の対象から外れてしまいますが、年収面以外は誰でも受給できるような条件となっています。
ただし既に高校を卒業している場合や、在学期間が36ヶ月を超えている場合は対象外となります。年金の受給のためには受給資格の申請が必要です。入学時の4月から申請が可能で学校から案内があることがほとんどです。支給開始は申請月からとなるため、申請が漏れないように注意しましょう。
支給金額は入学する学校や世帯収入によって異なりますが、家庭の経済的な理由で進学を悩む人でも国の支援金制度を使えば、費用の高い私立の通信制高校に通える可能性があります。
■高校生等奨学金給付金制度
高等学校など就学支援金制度と比較すると受給条件は厳しいですが、高校生等奨学金給付金制度という制度もあります。受給条件は住民税非課税世帯または生活保護世帯であることが条件となります。
また奨学金給付金は授業料に使用できず、教科書代や教材費といった授業料以外の費用に使われることを目的としています。支給される金額は世帯収入と高校の種類によって異なります。奨学給付金は募集期限が決まっているため、事前に調べておく必要があります。
通信制高校の学費がどのくらいかかるのかを解説しました。公立に通えば学費は安くなりますが、私立の場合も学習コースを工夫すれば学費を抑えられます。希望する通信制高校の学費について試算する際は、さまざまな支援金制度を利用したうえでかかる費用を計算しましょう。就学支援金制度を活用することで私立の通信制高校へ通える可能性が高まります。