芸能学校における「俳優コース」では何をするの?
芸能学校に入学を考えている方々にとって、俳優コースの内容が分からないこともあるかもしれません。俳優と一口にいっても、ミュージカルや映画など、幅広いジャンルが存在します。一般的な芸能学校のカリキュラムについて知っておくことは重要です。この記事を読むことで、芸能学校の俳優コースにおける大まかな内容を把握できるでしょう。
お芝居するうえで大切な「基礎練習」
スポーツや勉強など何かのプロフェッショナルを目指す上で、基礎練習は欠かせません。芸能学校における俳優コースの基礎練習では、演技の基本となる三点を中心に訓練をします。
それぞれの特徴とメリットを詳しく説明しましょう。
発声練習
最近は歌える俳優も増えており、主演俳優がドラマや映画のタイアップを担当する作品もよく見かけます。発声練習では、身体や声帯の仕組みを知り、体と声がどのようにして連動して機能しているかを学ぶのです。
歌手が歌詞に熱を込める前のナチュラルなベース作りや音階や音楽を使って音域を広げるトレーニングをします。自分の声を客観的に聴いて違和感がないか確認し、磨いて、コントロールできることを目指しているのです。
ダンス
俳優にとって演技力は大切なのはいうまでもありませんが、美しい姿勢や身体のバランスを整えることも忘れてはいけません。JAZZダンスは明確な型がなく、自由度が高いのが特徴です。
また、JAZZダンスではブレない体幹と正しいリズム感を身につけられるので、どこの俳優学校でもJAZZダンスのカリキュラムが組み込まれています。
ダンス未経験や体が硬い方でも、楽しみながら俳優に必要な要素を習得できるのです。
自己解放
俳優は役の人の感情や行動になりきるため、自分の感情を解放して、表現する必要があります。自己解放のカリキュラムでは、ワークショップやゲームを通じて、自分の心を動かし演じる楽しさを体感。
心身をまっさらな状態にして、画面や舞台の上からも相手の心を動かせるように訓練します。
自分の気持ちをさらけ出すのが恥ずかしかったり、自分の気持ちを相手に上手に伝えられなかったりする人にとっては特に必要なカリキュラムです。
お芝居の幅を広げる「ワークショップ」
俳優コースではお芝居の幅を広げるためにエチュードと呼ばれるワークショップも実施しています。
エチュードとは即興劇という意味の言葉で、演劇の世界では脚本に書かれた役設定のみを把握して、セリフを使わずに役を演じるお芝居のことです。
台本なしのアドリブで演劇をすることは自信にもつながりますし、相手によって自分のキャラクターを柔軟に変える必要もあり、見る人の気持ちも微妙に変わってきます。
エチュードの種類ですが、テーマに沿って自分で動きなどを考えるエチュードや集中力の向上を目的に緊張と緩和を意識的に行うワークショップを通し、楽しみながら演技全般の理解を深められるのです。
同時に「実は〇〇」のような意外なオチを意識して物語を展開する必要があるので、物語に深みをもたせるためのテクニックも習得できます。
学校によってはこのようなこともします!
芸能専門学校と大学のカリキュラムを同時に学べたり、国家資格取得に力を入れたりと、学校によって方向性が違うこともあります。自分の目指す方向性を整理した上で、魅力的な学校をピックアップしましょう。
学内オーディションを開催する
学校によっては、学内でドラフト形式のオーディションを開催しているところも数多くあります。
多くの有名プロダクション関係者が審査員として来校し、業界人から直接アドバイスを受けられる貴重なチャンスです。また、これらの人たちから演技指導を受けられるだけでなく、指名や契約の声掛けにつながることもあり、業界デビューのチャンスも得られるワクワクする取り組みといえます。
ステージで校内発表会をする
年に校内で1、2回の発表会を開催する学校もあります。
これは一般の方も観劇が可能で、学生たちにとっては腕の見せ所です。授業の成果を披露できるだけでなく、自分の家族や友人、お世話になった人たちへの恩返しも込めて演技を振る舞うことができます。
カメラワークを学ぶ
映像台本・CG映像などを使用し、撮影手順やカメラワークを学ぶ学校もあります。デビュー後に撮影現場で活躍できるスキルを学び、役者に何が求められているのかを作り手の視点からお教えします。
アドリブ力のみを求める演技指導やただのワークショップとは一味違い、監督から求められる俳優、また呼ばれる俳優になるためのノウハウを学べる映像演技ワークショップです。
まとめ
ここまで芸能学校の俳優コースで学ぶ主なカリキュラムやワークショップ、独自のイベントを紹介しました。俳優コースといっても発声やリズム感、表現力などトレーニング内容は決して派手なものではありませんが、いずれもお芝居をする上で必要なスキルです。基礎練習はどこの学校でもおおむね同じ内容ですが、校内発表やオーディションの勝手は学校ごとに異なるので、気になるイベントがあれば場所を確認しておきましょう。自分に合った学校で演技力を身につけてください。